BSの試験放送がスタートしたのは入四年。
放送衛星(サテライト)「ゆり2号」の打ち上げは大きなニュースとなった。
NHK衛星(サテライト)放送が二㏄、そして「WOWOW」チャンネルが登場した。
NHK衛星(サテライト)は驚異的な勢いで加入者を獲得し、九七年には入○○万件を超えた。
(視聴料未納の件数も含めると約一一〇〇万件)世界中どこを探しても八〇〇万件もの加入者がいる有料衛星(サテライト)放送はない。
しかも、いまだに加入者数を伸ばしているし、二〇〇〇年までにはデジタル化を進める予定だ。
急成長したNHKのBS放送は、CS業者にとって脅威だ。
今後も年間一〇〇万件弱の加入者があれば、あと一五年ほどで二〇〇〇万件におよぶだろう。
地上波TVの視聴者が四〇〇〇万世帯とすると、CSデジタル放送のマーケットは最大でも五〇〇万~七〇〇万件といわれている。
つまり、夢のような無限大の市場は開拓できない。
けれども、たとえ五〇〇万件であっても新たなビジネスが創出されることは間違いない。
CSの魅力である"多チャンネル性"のアピール度は大きいはずだ。
とくにフジワークのようなスポーツ狂や映画マニアの心には深く刺さるだろう。
なかには複数の衛星(サテライト)放送に加入するケースもあるだろうが、四〇〇〇万件という地上波TVのマーケットのうち、約半数がBSに加入するとなると、CS加入者の上限はやはり五〇〇万~七〇〇万件となる。
たとえ東南アジアに視聴者を求めても、一〇〇〇万件を超えることはないだろう。
マーケットの規模はシビアに考える必要がある。
そうなると、CSデジタルの三社は、六〇〇万件ほどのパイを取り合うことになる。
一社の平均は二〇〇万件で、これはなんとか採算が合うペイラインの数値である。
NHK放送文化研究所によると、地上波TVの視聴時間は一日平均三時間二〇分だという。
バブル経済の崩壊後、在宅時間が増えたとはいうものの、視聴時間が大幅に増えるとは考えられない。
いくらデジタル画像が高画質・高音質であっても、一日に視聴する時間には限界がある。
フジワークのように一日6時間も視聴する人間はごくまれなのだ。
つまりCSの加入者が増えることは、地上波TVやBSの顧客が減ることに等しい。
CATVや地方局がダメージを受けるケースもあるだろうが、CSと敵対するのはBSだ。
たとえば、「パーフェクTV」が放送を開始してから、日本衛星(サテライト)放送の「WOWOW」チャンネルがダメージを受けている。
「WOWOW」への加入者は今までと同じように毎月約二万件が契約しており、九六年には二〇〇万人を超えた。
同時に単年度黒字に転換したのだが、九七年後半から解約者が急増しているため純増件数が「万件を割り込んだ。
一時は純増件数が五〇〇〇件を下回り、ひどいときは二〇〇〇件という月もあるという。
ただし、「WOWOW」を解約した人が「パーフェクTV」やほかのCSに加入しているかというとそうでもない。
「パーフェクTV」に加入するのは解約した人の約一割だそうだ。
どうやら、ほとんどの人たちは"模様眺め"を決め込んでいるらしい。
CSだけでも「ディレクTV」と「JスカイB」があるうえ、NHKのBSや地元のCATVもデジタル化する。
それにハイビジョンも番組が充実してきた。
どのチャンネルが自分に適しているのか……、すべてが出揃ってから選ぼうというのがホンネのようだ。
とにかく、CSの登場はBS市場を脅かす部分がある。
さらに、番組のなかに映画の専門チャンネルが多いため、レンタルビデオ店にとっても脅威となる可能性が高い。